「 連結税制制度は、100% の持株関係にある法人グループを、1つの
課税単位として扱っている点で、法人グループの一体的取扱いの究極の
姿である。」( 租税法金子宏著21版 弘文堂刊 )
しかし、「 連結納税の選択をしていなくても、連結法人グループと同様に
強固な結合関係にあり、一体的管理・運営の行われている
法人グループについても、その実体に対応して一体的取扱
いをすることには、一定の合理性が認められ」ます。このような
考慮から、「 一の者が法人の発行済株式等( 従業員持株
会等の所有する株式が5%以内である場合等には、それを
除外して計算) 」します。 (法令)の全部を直接若しくは間接に保有する関係( 当事者
間の完全支配の関係 )又は一の者との間に当事者間の完全支配関係がある法人相
互の関係」を完全支配関係(大まかにいえば、直接・間接を含め100%持株関係のこ
とである)と呼び、完全支配関係のあるグループ法人相互間の取引(以下では、「完全
支配関係法人間取引」という)に対する課税について、次の2の措置を新たに導入した。
なお、「 発行済株式の100%所有を唯一の基準としたのは、法律関係の
複雑化を防止して、法的安定性と予測可能性を確保するとともに、適用を
容易にするためであ」ります。
( 租税法金子宏著21版 弘文堂刊より引用 )
① 申告方式
単 : 単体法人( 強制適用、申請不要 )
連 : 連結親法人( 任意適用、申請・承認 )
② 所得の通算
単 : 他の法人と通算しない
連 : 連結法人と通算する
③取引(譲渡)
単 : 譲渡損益を繰延べ( 再譲渡等で戻入れ )
連 : 同上
④受贈益
単 : 益金不算入( 全額 )
連 : 同上
⑤寄附金
単 : 益金不算入( 全額 )
連 : 同上
⑥ 現物配当
単 : 配当財産の譲渡益繰延べ
連 : 同上
⑦ 発行法人への株式の譲渡
単 : 譲渡損益の繰延べ
連 : 同上
⑧ 受取配当の益金不算入における負債利子控除
単 : 適用なし
連 : 同上
⑨ 中小企業の特例措置
単 : 親会社の資本金5億円以上の場合には、適用なし
連 : 連結親法人資本金1億円超の場合には、適用なし
以上
- POSTED at 2016年05月11日 (水)